ATOSアンドレ・ガウヴォン性加害訴えられる!柔術界にはびこる性的搾取を考える

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今、柔術界に激震が走っていることをご存じでしょうか。そう、あの世界最大級のチーム、ATOSがとある事件を通じて空中分解ともいえる大事態に陥っているのです。そこで今回は柔術界にはびこる性加害の実態について取り上げたいと思います。

事の発端は、アメリカの掲示板redditにこんなスレが立ち上がったことでした。タイトルは「ガウヴォンがジュベナイルの選手に触れ、グルーミング(手名付ける)している?」。

スレッドにはこんなコメントが寄せられていました。

anklepops

残念ながら、これは以前ATOSで練習していた複数の女性の黒帯から確認しました。
多くのハイレベルな人たちが去った理由、そしてこの件がもっと大きなフォーラムで注目されていない理由こそが、このスポーツの問題点だと思います。

実績や歴史がどれだけあろうと関係ありません。
同意なしに人に触れるべきではない。特に子どもに対しては。

正しい対応が取られることを願っていますが、ATOSの女性リーダー陣は、被害者側に立って責任を取るのではなく、この問題を隠蔽するために必死に動いているように見えます。

とても失望しましたし、悲しいです。

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アンディ・ムラサキはいなくなった。
ラファエラ・ゲデスもいなくなった。
ラファエル・シルベイラもいなくなった。
アレクサ・ハースもいなくなった。

フロントデスクの受付スタッフもいなくなった。
そのうちの1人は ガルヴァオンの姪 だった。

この件は非常にデリケートな問題なので、
まだ誰も公の場では何も発言していません。
まだたった2日ほどしか経っていません。

でも、ATOSのメンバーとして言いますが、すべて事実です。

ほかにもさまざまな意見が飛び交っていましたが、この時点ではどれも匿名のためまだ真意は不明でした。しかしSNS界隈では徐々にこの件が取り上げられてきており、もはや沈黙を貫くことが無理な状況になってきます。

そんな中、英国のウェールズで2026年1月31日、グラップリングイベント、ポラリスが開催されます。そこで試合をしたATOS所属だった、アデル・フォルナリーノが試合後にこの件について触れたのです。そのときの動画がこちら。

そのとき語ったことがこちら。

現在、柔術界には危機があり、非常に大きな問題が起きています。それは、このスポーツの階層構造から生じているものです。 脆弱な立場の人々に対して、優位な立場(支配的な立場)にある人々がいます。そうした立場にある人々の仕事は、人々を保護し、世話し、身を守る方法を教えることであるはずです。しかし、まさにその当人たちが、このスポーツにおける最も脆弱な立場の人々を利用しているのです。 これを止めなければなりません。」
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「これを止める唯一の方法は、私たち全員が、彼らの行いに対して責任を追及することです。 もう『知らぬが仏』という状態(無知による幸福)でいることは許されません。もはや無実の傍観者など存在しないのです。 私たちがこの状況を変える力を持っています。声を上げ、主張し、このスポーツで最も脆弱な立場にある人々を守る必要があります。次世代がここに来る頃には、彼らが二度とこのような問題に対処しなくて済むよう、私の力でできる限りのことをすると約束します。 彼らにそんな仕打ちはふさわしくないからです。」
これがSNSで大きな反響を呼びました。しかしこのときもデリケートな問題だけにあえて誰の名前も出していません。そんな中、ついにスキャンダルの渦中にあるアンドレ・ガウヴォンが声を挙げます。

 

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2026年2月1日

ここ数日間、女性生徒に対する不適切な行為があったとする虚偽の噂が、オンライン上で拡散されています。
これらの主張は事実ではなく、私たちは ATOS の誠実性を守るため、適切な法的措置を取っています。

私はこれまでの人生をブラジリアン柔術に捧げ、人々が安全に、安心して、尊厳をもってトレーニングできるアカデミー作りに尽力してきました。
私は、道場内外における 敬意・規律・プロフェッショナリズムという私たちの文化を誇りに思っています。
マットは常にスタッフ、生徒、カメラに囲まれており、私たちは一貫して 安全で、敬意に満ち、透明性のあるトレーニング環境を維持してきました。

私はSNS上での論争には関与しませんが、私たちのコミュニティと家族の名誉を守るために必要な措置は講じます。
そして、特に最近の管理体制および財務上の変更により、少数の元メンバーが退いた経緯を含め、すべての事実が近いうちに明らかになることをお約束します。

今回の件は、すべてが起こる前に ATOS を去った人物によって始められました。
その人物は噂の中で名指しされてはいませんが、財務削減や運営上の判断に対する個人的な恨みを抱いているのは明らかです。
長年にわたり多くの恩恵を受けてきたにもかかわらず、最低限の感謝や敬意すら示さず、このような卑劣な手段に訴える姿を見るのは、非常に残念で心が痛みます。

もし現在の生徒、または保護者の方で、懸念や質問がある場合は、直接ご連絡ください。
私たちは正当な懸念については真摯に受け止め、SNS上の曖昧な告発ではなく、正式な手続きを通じて対応します。

これまで私たちのアカデミーとチームを支えてくださった皆さまに、心から感謝します。
私たちは今後も、世界水準の指導を、敬意ある環境の中で提供し、すべての生徒が成長できる場所としてアカデミーを守り続けます。

最後に、私は 真実が必ず勝つと信じています。
あらゆる試練の中で、私は家族である サラとアンジェリカと共に立ち続けます。

神のご加護がありますように。

アンドレ・ガウヴォン

この文章からすると、ATOSと揉めて首になった女性が、彼を陥れるために虚偽の噂を流したという解釈ができそうです。法的措置を取るといってることからしても、全てはデマというのがATOS側の主張のようです。そしてその可能性ももちろんあるでしょう。

そんな中、2月2日、ついに被害者本人が声を挙げます。彼女の名前はアレクサ・ハース(ALEXA HERSE)

 

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今後、私はAtos Jiu-Jitsuとは一切関係を持ちません。

こんなことを言う日が来るとは、決して想像していませんでした。
私は幼少期から思春期の大半を、このチームに捧げてきたからです。

しかし残念ながら、今の私には身を引き、声を上げる以外の選択肢がありません。

過去6か月の間に、私はアンドレ・ガルヴァオンの行為によって、何度も強い不快感を覚えました。
彼は練習中に、私に対して不適切な身体接触をしました。

彼は繰り返し、私の体や外見についてコメントしました。
また練習中、私が自分で選んだトレーニングパートナーから私を引き離し、その相手を別の人と組ませ、代わりに私を彼自身と組ませました。

彼は私の上に乗った状態で、耳元で性的なうめき声を出しました。
さらに別の場面では、彼の頭が私の頭に非常に近づいたとき、私の耳を舐めました。

私はアンジェリカ・ガウヴァンに連絡しました。
彼女は、私が子どもの頃から知っていて指導してくれた人で、私にとっては第二の母のような存在でした。

しかし彼女は、この件について何の対応もしなかっただけでなく、
私に「何も言うな」と言い、さらに
「それが間違っているなら、せめて正しいふりをしなさい」
「食べさせてくれる手を噛むな」
とも言いました。

彼女は、私を無視し、沈黙させ、夫を守ることを選びました。
ですが、もしそれがあなた自身の娘だったとしても、同じように感じるでしょうか?

今、彼女は私の信用を失墜させ、この件を隠蔽しようとしています。
私の考えでは、その行為によって彼女自身も同等の責任を負っています。

私はAtos(アトス)で育ち、子供の頃にグレーベルトを授けてくれたのはアンドレ・ガウヴォンでした。今の私の心境は、ただただ悲痛という言葉に尽きます。かつては彼を単なる先生としてだけでなく、ヒーローとして、そして父親のような存在として尊敬していました。彼が私だけでなく、他にも多くの人々に対してこのようなことをしたと知り、計り知れない衝撃を受けています。

こんなことは決して望んでいませんでした。公にすることで得られるものなど何一つありません。私は友人や家族のすべてをあとに残すことを決意しています。これが私の真実です。そして、この件の被害者は私だけではないと確信しています。他の女性たちにとって、これが声を上げる勇気となることを願っています。

どれほど心が痛もうとも、私はこのスポーツをより安全な場所にするために自分の役割を果たします。自分のものではない「恥」を背負うことは拒否します。沈黙は加害者を守るだけであり、私はもう沈黙しません。 すでに地元の警察に被害届を提出しました。

ここに来て本人が勇気を振り絞って被害を名乗り出たことで風向きが変わりました。もちろんこれだけの情報から全てを判断してしまうのは危険なことです。現在の時点で警察は動いてはおらず、どちらの主張も虚偽の可能性があるからです。

しかしながらこの件をめぐって柔術界は目まぐるしく動きます。アンドレ・ガウヴォンの生徒であり、ATOSのWinter Garden代表の柔術世界王者ルーカス・ピニェイロが声明文を出したのです。

 

私は @alexahersejj を支持します。
今日という日は、私の人生の中でも最もつらい日の一つでした。😞

私のキャリアを追ってきた人なら誰でも、私がどれほど Atos Jiu-Jitsu の旗を背負って戦うことを誇りに思ってきたか、そしてアンドレ・ガルヴァオン師範をどれほど尊敬してきたかを知っているはずです。だからこそ、今この瞬間はなおさら苦しいのです。

今日、私は信頼している複数のAtosのインストラクターや主要な師範たちと直接話をしました。私と同じく黒帯の世界王者である彼らは、Alexaや他の女性たちに関する告発が事実であることを認めました。
また、私の妻もAlexaと話をし、彼女がすでに警察に被害届を提出したことを聞いています。
これからは、正式な法的手続きを通して真実が明らかになっていくでしょう。

なお、アンドレ師範から私への連絡は一切ありません。

私が確信していることは一つです。
私はAlexaを支持します。そして、身体的・精神的に被害を受けたことを証明できるすべての女性を支持します。
私の価値観を反映しない旗を、私は背負うことも、代表することもできませんし、今後もしません。
それは @atosjiujitsutemecula や @frazattojjacademy をはじめ、他のアカデミーがそれぞれの判断で決断したことと同じです。

@atoswintergarden の生徒の皆さんには、どうか忍耐と理解をお願いします。
今日はあまりにも多くのことが一気に起こり、感情的にもなり、深く失望する一日でした。皆さんと同じように、私自身も多くのことを整理している最中です。

それでも、私の信念は変わりません。
アカデミーを安全な場所であり続けさせること。
生徒を守ること。
そして常に、尊重・誠実さ・責任の側に立つことです。

ご理解ありがとうございます。
明日は通常通りクラスを行います。

事実上脱退表明といってもいいでしょう。真偽は分かりませんが、このコメントから@atosjiujitsutemecula や @frazattojjacademy(ブルーノ・フラザト)もATOSを脱退するようなことが書かれていますね。

そしてビジネス的においても今ATOSの看板を掲げることは非常にリスキーであることを考えると、ATOSの支部代表が今後どんどん脱退していく波は抑えられないでしょう。もし本当にそうなったらとても残念なことですね。

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実は結構多い柔術界の性的搾取

今回久しぶりにブログを更新しようと思ったのは、日本からも海外に修行や出稽古に行く人々が増えたこともあって注意喚起の意味もあってのことです。特に未成年の男の子、女の子が海外で柔術留学をするときは本当に道場選びは気を付けたほうがいいです。できれば親も一緒についていくべきです。被害に遭っているのはなにも女子だけでなく、男子の場合もあります。

2025年にもブラジルでは柔術の先生ウセノール・アウヴェス・ソエイロ(Alcenor Alves Soeiro)が逮捕されたのが記憶に新しいです。被害者は総勢12人の男子(実際はもっと多いかもしれません)と言われており、その中には世界王者も多く含まれています(被害に遭ったのは彼らが子供のころ)。

ちなみにウセノール・アウヴェス・ソエイロの手口は試合のために遠征に行った際、宿泊先などで子供たちと二人きりになり、危害を加えるというものだったそうです。両親もきっと先生を信頼して自分の子供たちを預けていたのでしょう。柔術の場合、選手志向の若者たちは道場に住み込みで練習することもありますが、そういうのもかなり危険だと思ったほうがいいです。

日本では今のところあまり聞きませんが、ほかにもアメリカやブラジルで同様のケースは調べればいくらでも出て来ることでしょう。その理由のひとつに、柔術特有の閉鎖されたコミュニティーの中で、下の者は上の者に逆らうことができない盲目的なヒエラルキーが存在するからに違いないです。特に先生が世界的に権威を持てば持つほど、一生徒が反抗するというのは心理的においても難しくなるのです。もちろん権威を乱用する者が出て来るのは柔術界に限ったことではありませんが柔術の世界では最近なにかと話題になるので、道場を選ぶ際には評判、雰囲気、先生の人柄などをよく調べてから行くべきです。どうかお気をつけ下さい。