柔術道場にスパーリングしたくない壊し屋がいたらどうするべきか

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柔術の道場ならどこにでも一人や二人いる壊し屋。自分より経験が浅く、体重も軽い相手にも平気でフルパワーで極めてくる暴れん坊に一体あなたはどのように対処したらいいのでしょうか。

読者の方からこんな質問をもらいました。ありがとうございます。

いつもスパーをすると(相手が)ガチスパーで力も強くて怪我なりどこかを痛めてしまい、練習ができなくなることがあります。スパーをする前にお手柔らかにとお願いするのですが変わりません。スパーの断り方などを教えてもらえませんか?

同じような境遇にいる人は少なくないはずです。練習を続けるうえでは怪我をしないことは大事なので切実な問題ですよね。

ではこの問題について考えていきましょう。

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柔術道場の生徒が怪我をしないように監督するのは指導者の役目

スパーリングの力加減は道場の雰囲気や方針によるものが大きいです。ガチガチにスパーリングするのが当たり前のところもあれば、まあまあそんなに力まずにやりましょうよ、といった雰囲気のところもあります。

道場内の練習では怪我のしやすい足関節は茶帯以上の人にしか使ってはいけないといったルールを課す道場もあります。

飛びつき十字、飛びつきガードなどの飛びつき系の動きを禁止する道場もありますね。試合でできることを練習で禁止してしまうと、いざというときに対応できなくなるといった意見ももちろん出てくるので、どうすることが正しいかは難しいところです。

しかし生徒の安全を確保するという観点でいうと、試合のルールとは別に道場内でルールやマナーを決めることは快適な柔術ライフを送ってもらうためにも当然といえば当然でしょう。

そしてそれを指導するのは他でもない道場主だったり、インストラクターの仕事です。乱暴な人がいたら注意したり、危険な動きや反則を犯す人がいたときには叱らないといけないこともあるでしょう。

指導者のそういった監視が行き届いていないと、生徒は質問者さんのような悩みを抱えることになります。

壊し屋には軽くやってもらうように頼み、それでもダメなら先生に相談する

ただ、先生も人間なので道場生一人一人の気持ちを汲み取れるかどうかは微妙なところです。なんでもかんでも禁止にすることはできないし、スパーリングの加減もどこまでをOKとし、どこからをNGとするかの線引きは難しいです。あまり厳しくすると、柔術そのもののエッセンスが失われてしまう可能性もありますよね。

また、初心者にとっては乱暴な生徒に見える人も、先生にとっては至って普通の生徒だったりすることもあるでしょう。そもそも自分より数段弱い相手がたとえ壊し屋だったとしても自分は勝てるから関係ないわけですし。

だからもし苦手な相手がいたら、やはりその人とスパーリングする際には「軽くお願いします」というしかないですよね。何度言ってもダメなら先生に相談して、先生の口から言ってもらうしかなさそうですね。第三者から言われると本人も気づくことがあるかと思います。

柔術道場でスパーリングを断るのは場合によっては難しかったりする

その人とはスパーリングをしないというのも選択肢に入れておくといいかもしれません。そのときはストレートに「僕では相手にならないので」とか「同じ体重の人とやりたいので」とか言えばいいんじゃないでしょうか。

しかし生徒数が多い道場だったらそれでも問題はないでしょうが、1クラスに数人しか人がいない状況ではどうでしょうか?

自分がスパーリングを断ることで、ペアが作れなくなる人が出てきて、スパーリングの時間が上手く回らなくなってしまうなんていうシチュエーションではなかなか言いずらいですよね。

あるいは道場によっては上の帯の人からスパーリングを誘われたら断るのは失礼だといった不文律があるところもあります。その場合も特に白帯の人は断れないかもしれません。

そんなときはやはり先生に相談するか、あるいはほかの解決策を見つけるしかなさそうです。

柔術のスパーリングで怪我をするのは本当に相手の責任なのか?

初心者の人が注意しなければならないのはガチスパーを仕掛けているのは案外自分だったりすることに気づいていない人が多いことです。

白帯のときは特にスパーリングで力が入りすぎてしまう傾向にあります。やられたくない気持ちが強すぎて、死に物狂いで動くせいで、ついつい必要以上に力んでしまうのは初心者あるあるです。

力を抜くのは簡単なようで何度言われてもなかなかできなかったりします。そしてバタバタ暴れる相手に対してはたとえ上の帯の人も、ある程度力で対応する必要に迫られるのです。それが人間の自然の反応であって、初心者が怪我をするのは、まさにそんなときじゃないかと僕は思います。

ガチスパーが嫌ならまずは自分から力を抜きましょう。さもなければスパーリングする度にどこかを痛める負のスパイラルから永延と抜けられなくなりますよ。

もし経験も技術も格下の自分がふにゃふにゃに力が抜けた状態でスパーリングをしているにも関わらず、ガチガチのフルパワーで来るような先輩がいたら、その人はそういう人だと思うしかないです。

そういう無自覚の壊し屋タイプには何を言ってもおそらく無駄なので、あなたにできる唯一のことといったら、練習してその人より強くなることぐらいかもしれません。

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柔術マン

黒帯、柔術暦20年以上。

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