柔術は強い道場に入るべきか楽しい道場に入るべきか

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柔術道場を選ぶとき、どんな条件で選ぶかは人によって違うかと思います。もし強い道場と楽しい道場を天秤にかけたときあなたならどっちを選びますか。

読者の方からこんな質問をいただきました。ありがとうございます。

私は二つの道場に出入りしていてどちらかに絞ろうと思っていますが、どちらを選ぶのが上達早いのか悩んでいます。理由はスパーリングの相手です。

片方の道場は紫帯の人が指導していて生徒は皆白帯です。ここでは力任せで抑え込む事ができるので怪我の心配なく楽しくやれてます。

もう一方は生徒が紫帯だらけで、道場の特色なのか誰とスパーリングしても何がなんだかわからずすぐ極められてしまい、すぐタップをする事しか考えられずに参加しています。

力で何とかなる道場と何もできずにやられてばかりの道場と両極端なのですが、どちら上達早いと思いますか?楽しい方を選んだ方がいいというのは重々承知の上での質問です。よろしくお願いいたします。

では質問に答えていきますね。

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純粋に柔術が強くなりたいなら厳しい環境を選ぼう

「どちらを選ぶのが上達早いのか悩んでいます」

もし早く上達がしたい、というのが本音なら迷わず強い選手たちが多くいる道場を選びましょう。

たとえ長い間なにもできなくてただスパーリングでやられる毎日だとしても強い人たちと練習をすることで、その強さに慣れ、抵抗し、攻略していくことにより、自分もレベルアップするからです。

強くなりたいならできるだけ自分より強い人と練習することです。力任せでねじ伏せられる相手しかいないところで慣れていれば、その分成長も遅くなるでしょう。

柔術が強くなるかどうかは練習環境によるものが大きなウエイトを占めると僕は思っています。

中には練習相手に恵まれないようなところからひょっこり天才肌の選手が現れたりすることもありますが、普通の人が強くなるには厳しい環境で揉まれてこそじゃないでしょうか。

また、強い道場には自然と強い選手たちが集まってくるという正のスパイラルがあるので、今後ますます強い道場とそうでない道場が二極化していくんじゃないのかと僕は思っています。

最初のうちは練習は負けに行く、やられに行くという感覚で十分です。今もし何もできないんだったら、まずは極めさせないことを目標にやればいいのです。

強い道場でも練習の仕方、考え方次第で楽しめる

その昔、紫帯の人と練習できることはとても贅沢なことでした。それこそほとんどの生徒が白帯や青帯だった時代には紫帯やそれ以上の帯の人は貴重な存在だったんです。

僕が白帯のときなんて紫帯の人は神だと思っていましたよ。でもそんな貴重な存在の人たちとスパーリングしてもらえることは光栄だったし、何もさせてもらえなかったけど、十分に楽しかったです。

なぜなら自分を子ども扱いする柔術の技術そのものに魅了されていたからです。勝てないと分かりながらなんとか活路を見出したいと思い、あの手この手を考えたり、意表をついた動きをしてみたり、本で読んだことを試したりするのはとても刺激的でした。

もしそういうピュアな気持ちがあれば、強い人たちの中でやっても十分に楽しめるはずですよ。

体力がきつく、ハードにやりたくないなら楽しめる道場で練習しよう

とはいえ、年齢を重ね、体力が落ち、仕事の関係で練習時間の確保が難しくなったり、といった様々なハードルがある中で、いつまでもガチガチのスパーリングに耐えられるかというとそれもまた難しいですよね。

柔術を職業としているなら限界までやるべきだけど、あくまでも趣味やエクササイズとしてやるなら気の合う仲間がいるところ、単純に自分が楽しい、と思うところで練習するのもいいでしょう。

かくいう僕も年齢を重ねていく中、怪我や古傷も少なくなく、今からゴリゴリのプロたちが集まるプロ練習に参加して毎日ハードに練習しようというモチベーションはありません。

とはいえ自分が衰えていくのをただ指をくわえて待っているつもりはないので、自分のできるペースで練習し、スパーリングするときはできるだけ強い人に練習相手になってもらい、自分なりの成長と体力維持に努めています。

要するに自分の状況と目的を踏まえたバランスが大事っていうことですね。

まとめ

ここでは強い道場か、楽しい道場か、と両極端なシチュエーションを天秤にかけていますが、自分次第で強い道場で楽しむことも可能だし、楽しい道場で強くなることも不可能ではありません。

しかしなんだかんだいってもスパーリングの相手が充実していることに越したことはないですよ。本当に早く上達したいんだったら悩む問題でもないと思います。

あるいは、「スパーリングで負ける=楽しめない。それなら自分が勝てる白帯とだけ練習していたい」という考えなら、そもそも早い上達は見込めないかもしれませんよ。

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柔術マン

黒帯、柔術暦20年以上。

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