柔術道場の移籍で悩んでいるあなたが考えるべき3つのこと

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ブラジリア柔術を長くやっていると、一度や二度や練習環境について悩むときがあると思います。そんなときに浮上するのが「移籍」という選択肢。ほかの道場で練習したいけど、今のところを辞めるのは気が引ける、そんな気持ちになったら次のように考えましょう。

読者の方から質問をいただきました。ありがとうございます。

柔術マンさんへ相談があります。

自分は、柔術を始めたくネットで一番近い道場を探してみた処40キロ先にあり1年間楽しみながら頑張りましたが交流会などの情報で宣伝活動をしていない道場が25キロ先にあることを知り出稽古に行くと人も練習日も多く、月謝も安い良い環境で、これから出稽古として通えたらと思いましたが自分の行っている道場と確執があるようで先生に行ってはダメだと言われてしまいました。

今まで、出稽古については おとがめ無しでどこでも勝手に行って良い状態だっただけに残念な気持ちになりました。最初に入った道場で、ずっといれる人は幸せだと思いました。今の道場と、へんな確執が無ければ良かったなのですが先生の機嫌もすこぶる悪く自分の道場へも行く気持ちがうせてしまいました。

出先の先生は、ライバル関係にありながらもこころ良く出稽古を受け入てくれただけに苦しさ倍増です。自分の気持ちはいまの先生にお世話になった恩義もありますがより良い環境で柔術をしたい気持ちで一杯です。

上手に移籍が出来たらと考えていますが円満に行うことは、難しくタイミングを悩んでいます。ぜひ、柔術マンさんだったらこうする。似たような話を聞いた事があるなど、あったらアドバイスを下さい。よろしくお願いします。

答え

これは質問者の方だけじゃなく、実際多くの人が悩む問題だと思います。そんなときは次のように考えると楽かもしれません。

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1、柔術の先生は生徒が強くなることだけを考えるべき

生徒の成長を心から応援できない先生はいい先生と言えるでしょうか? 柔術の先生は自分の確執に生徒を巻き込むのではなく、生徒のことを一番に考えるべきだと僕は思います。

どれだけ先生が生徒の出稽古や移籍を阻止しようと規則を決めても、生徒は自分が一番練習しやすい環境を探し求めるものです。日本ではいまだに格闘技道場を「学校」や「塾」のような感覚で経営しているオーナーや指導者が多く、指導者によっては生徒のことを会員やお客さんではなく、あくまでも「弟子」のような感覚で接している人もいます。

そういうタイプの道場はこれからの時代どんどん生徒受けが悪くなるし、経営も上手くいかなくなるでしょう。昔はそれでもよかったのかもしれませんが、趣味やエクササイズとして気軽に楽しみたい生徒からしたら、そんな環境は厄介でしかないからです。

2、一般の生徒は先生に恩や借りを感じる必要はない

語弊があるかもしれませんが、よっぽど特別な配慮をしてもらった特待生や内弟子ではない限り、先生に対して特別な恩や借りを感じる必要はないと思います。

もちろんお世話になった先生に感謝の気持ちを持つことは大切です。しかしそれはお互い様だと僕は思っています。先生にとっても生徒がいてくれて初めて道場経営が成り立つのだから立場は対等であるべきなのです。

よく長年教えてきた生徒が道場を移籍すると「裏切られた」といった思いになる先生がいますが、僕はそれは違うと思っています。移籍したからといって、その道場で練習したことが無駄になるわけではありませんし、必ず双方にメリットがあったはずです。それを感情論を持ち出して、恩や裏切りを語るのはとても幼稚な話です。

3、自分は自分の柔術ライフのことを考えればいい

いち生徒として、いち柔術家として、自分は常に自分に合ったベストの環境を求めて邁進すればいいと思います。練習に満足が行かなければほかを探すしかないし、移籍はしてみたいけど今のところも居心地がいい、というなら今の道場があなたにとってベストなのです。

柔術をやっていればときには誰かと争うことにもなるでしょう。でもそんなことは長い人生においては大したことではありません。それよりも自分の柔術ライフのことを考えましょう。出稽古や移籍がきっかけで先生があなたに対する態度を変えてくるなら、それまでの人間だということです。

先生との確執やほかの生徒とのトラブルなどは人間なので柔術を続けていれば誰もが避けられない道です。ただ、そういったことを含めての鍛錬であり、修行なのかなとも思ったりもします。

いずれにしろ移籍するにしても辞めるにしても、お世話になった先生や仲良くしてもらった生徒には相談や連絡はちゃんとしましょう。

黙って辞めていったり、気まずいからといってメールだけで済ませようとする人もいますが、それは人としてどうかと思います。特別な恩義を感じることはないといいましたが、それはいい加減に人と付き合ってもいいという意味ではありません。

正直に自分の希望を話して、それが受け入れられるかどうかは誰にも分かりません。その後のことはなるようになるので考えなくていいのです。ただ、人としてちゃんと連絡する、といった当たり前のマナーは守りましょう。

まとめ

僕自身、今までで合計2回道場を移籍をしました。一度は道場がつぶれたため仕方なく移籍し、二度目は自分の意思でよりよい環境を求めての決断でした。

二度目のときは閉鎖的な道場で、生徒に出稽古を禁止したり、ほかの道場に対しても強いライバル意識を燃やすような先生でしたね。

やはりそういう道場だと生徒はいずらくなる傾向にあるのかもしれません。出るな出るなと言われたら人は出たくなるものなんですよね。

道場の移籍に関しては、ひとつ素晴らしいエピソードがあります。僕の友人の話なんですが、パラエストラ東京で練習をしていた彼はある日、中井祐樹先生に緊張しながら移籍のことを相談したそうです。

「先生、申し訳ありませんが、引っ越すことになり、家が遠くなるので道場の移籍を考えています」

「よし分かった。柔術さえ続けてくれれば嬉しいよ」

まさに中井先生の器の大きさを表すエピソードですね。中井先生は自分の道場経営のことよりも柔術界全体、あるいはその生徒の柔術人生のことを一番に考えているのです。こんな先生に出会えたら生徒は幸せですね。

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柔術マン

黒帯、柔術暦20年以上。

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